[ruby-dev:5395] Subseq of Array

稲葉です. 

長くなってしまいました. その上続けてもう一通だします...

arr[x..y], arr[x,len]の仕様についてです. このarrはArrayです.

[ruby-dev:5085]で, 「arr[0,-1]やarr[1..0]がnilを返すようにしてはどうか」
という提案をしました. これに対して他の方の意見を待ったのですが,
忘れられてしまったようです.

これまでフォローできずにいましたが, 議論をしてもらえるように, 1.3.1の
現状の整理を自分なりにしてみました. (まちがっているかもしれません) そ
して自分が考える改良案を最後につけました.

・ruby 1.3.1(99/02/15) [sparc-solaris2.5.1]でスクリプトの結果のみ見て
  ます. ソースは追っていません.

** 現状 ********************************************
arr[x..y], arr[x,len](へ)の参照/代入の際に, 

 * まず最初に, x or y が負の時にはそれ+arr.size とみなす.

ことをします. 以下では x に対してこうした結果をfrom, y に対する結果を 
 to とおきます. またarr.sizeをsizeとおきます.

[参照]
 (負の長さ)
 + from > to の時 arr[x..y] の参照は例外をあげる.

 + len < 0 のときarr[x,len] の参照は[]を返す.

 (範囲外の扱い)
 + arr[x..y] を参照する時, from..to と 0..(size-1) との共通部分が
   first..last であったとすると, arr[first..last]として返す.

 + arr[x,len]を参照する時, from..(from+len) と 0..size の共通部分が
   first..last であったとすると, arr[first,last-first]として返す.

 + 共通部分がない時は[]を返す.

[代入]
 (負の長さ)
 + from > to の時 arr[x..y] への代入は例外をあげる. 

 + len < 0 のときarr[x,len] への代入は例外をあげる.

 (nilによる拡張)
 + from > size の時, 配列はサイズfromまでnilを要素として拡張される. 以
   後はfrom==sizeになる.

 (範囲外の扱い)
 + arr[x..y] への代入では, from..to と 0..size との共通部分が
   first..last であったとすると, arr[first..last]に対する代入を行う.

 + arr[x,len]への代入では, from..(from+len) と 0..size の共通部分が
   first..last であったとすると, arr[first,last-first]への代入を行う. 
   ただし以下の場合は例外となる.

 (？)
 + from < 0 && from + len == 0 の時, arr[x,len]への代入は例外をあげる. 
   
 + 共通部分がない時は例外をあげる.

** 改良案 ********************************************
・負の長さの参照, および共通部分がない参照はnilを返す事を提案します.

このように提案する理由は, 

 1. 配列の参照時に例外がおこると, 使いづらくなるので, from > to の時 
    arr[x..y] の参照が例外を起すのをやめたい.  readlineとgetsのどちら
    が良く使われるかを考えればこういう例外が使いにくいのは認めてもらえ
    ると思う. 

 2. それなら旧来の[]で良いかというと, 通常でないアクセスをしている事が
    すぐには判断できない. 

 3. 旧来の[]を想定している場合には.to_aすれば良い. 例外が欲しい場合は, 
    何もせずアクセスすればたいてい起きる:->し, explicitに起こすのも簡
    単.

というものです. (cdr '())を便利さで nil にする普通のLispとエラーに
するscheme の話にも似ています. 

ついでに,

・from < 0 && from+len == 0 でのarr[x,len]への代入はarr[0, 0]への代入
  とする.
   
理由は, 整合性がなく, 変に思えるから:->です.

** その他の議論点 ************************************
積極的に提案する気はありませんが, 以下のような事も議論できると思いまし
た.

・参照時もnilによる拡張の結果が返ってきても良いのでは？

・arr[x..y]では長さ0のアクセスができなくなっているが, これをできるよう
  にして, arr[x,len]にひとかわかぶせたものにしてしまってはどうか？

** おまけ ********************************************
調査をしていて, 以下のような事に気がつきました.

Rangeの疑問:

 * Range の 共通部分を得るメソッドが標準で提供できないか？

 * first > lastなRangeが作成できるのは問題ないか？

 * 問題ないとして, この時lengthが0となるのはよいか？

マニュアルの不備:
(ruby-man-1.3, 最新のファイルがFeb 16 10:39 Time.htmlのもの)

 * Range.html
      + start <=> end が値を返す必要がある事
      + lengthメソッドがある事
      + === が両端の要素との<=,  >=で定義されている事

 * Array.html
      + joinが要素をimplicitにto_sして連結する事

が明記されていない.

-vオプションの疑問:
`-v'オプションをつけると`-w'をもつけた事になるのは仕様？
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	稲葉 浩人 <[e-mail]/[e-mail]>