ruby-dev

えぐち＠エスアンドイー です。

>>> On Fri, 5 Feb 1999 23:36:16 +0900, Yasuhiro Fukuma <yasuf@big.or.jp> said:

福間> 福間@福岡 です。
福間> 
福間> FreeBSDでのshared libraryの挙動に関して。続きがえらく遅れてしまって
福間> すみません。
いえいえ、とんでもありません。

福間> ・a.out環境の場合(FreeBSD 2.xでは常に)
福間> 
福間>   - コンパイル時に -lfoo としてリンクするとき:
福間>     インストールされた libfoo.so.x.y のうち、x と y とを合わせた
福間>     バージョン番号の最も大きいものがリンクされる
福間>     実行バイナリには、選択された foo, x, y が記録される
福間> 
福間>   - libfoo.so.m.n をリンクしたプログラムを実行するとき:
福間>     インストールされた libfoo.so.x.y のうち、m == x かつ y が最大の
福間>     ものがロードされる
福間>     このとき、n > y であれば警告メッセージが表示される(場合によっては
福間>     実行中にシンボルが見つからないなどの理由でruntime errorが発生する)
福間> 
福間>   - 注意点:
福間>     ファイル名は lib<name>.so.<major>.<minor> とし、新しい関数が増えた
福間>     場合はminorを、関数が削除されたり仕様が変わったりした場合はmajorを
福間>     増やす

逆読みすると、インターフェースに変更のないときは、
パッケージのバージョンが上がっても、minor は増やさなくても
良いと言う事ですね。

libtool でいう AGE が minor に対応するようです。

福間> ・ELF環境の場合(FreeBSD 3.x以上での標準設定)
福間> 
福間>   - コンパイル時に -lfoo としてリンクするとき:
福間>     インストールされた libfoo.so がリンクされる
福間>     実行バイナリには、ライブラリ中の soname の値(無ければ libfoo.so
福間>     そのもの)が記録される
福間> 
福間>   - libfoo.so.m をリンクしたプログラムを実行するとき:
福間>     インストールされた libfoo.so.m がロードされる
福間> 
福間>   - 注意点:
福間>     ファイル名は(他のライブラリとの整合性のため) lib<name>.so.<version>
福間>     とし、これを指す lib<name>.so というシンボリックリンクを作る
福間>     ライブラリを作るときには gcc -shared -Wl,-soname,lib<name>.so.<version>
福間>     などとする必要がある
福間>     バージョン番号の数値的な大小に意味は無く、単なる名前の一部に過ぎない

こちらは、symlink 元 の lib<name>.so.<version> を aout の物と
同名にしてしまうのも、可能ですね。
(aout は別ディレクトリにインストールされるので)

福間> # 参考文献:
福間> # 「column: ELF用の共有ライブラリ」, Software Design Feb. 1999, pp.34-
福間> # FreeBSDハンドブックの「自分でportを作る - 特別な配慮 - ELF対応」,
福間> #  http://www.jp.freebsd.org/www.freebsd.org/ja/handbook/porting.html
福間> 
福間> なお、FreeBSD 3.x以上ではELFとa.out両方のバイナリがサポートされて
福間> いますが、現在どちらのフォーマットがデフォルトに設定されているのかは
福間> objformat(1) で調べられます。このコマンドを実行すると、現在の設定に
福間> 応じて aout あるいは elf という文字列が出力されます。
福間> /usr/bin/objformat があるからELF環境だとは限りません(まあ、ふつうは
福間> ほぼ間違い無くそうでしょうが)。
福間> 
福間> また、gccやld(やobjformat :)などに -aout/-elf というオプションを
福間> 与えることによって、このデフォルトを上書きすることもできます。

私の考えでは、/etc/objformat での aout/elf の変更は
透過的にコンパイル／リンクで扱われ、ファイルの命名規則や
インストール先を工夫する必要があると思っていました。

福間> 記事 <19990125083415R.eguchi@shizuokanet.ne.jp> において、
福間> EGUCHI Osamu <eguchi@shizuokanet.ne.jp> さんは書きました :
福間> 
福間> > あぁ、ELF では ln -s libXXX.so.version libXXX.so は必須ですか？
福間> 
福間> 上記のとおりなので、そうなりますね。

なるほど。

福間> > 福間> ここで、shared libraryをリンクする他のプログラムのことを考えると、
福間> > 福間> a.outとELFのlibraryの名前は揃えておいたほうが好ましいでしょう。
福間> > 
福間> > ここで言う「名前」は、「.so. より左の部分と次の数字」の事ですね。
福間> 
福間> そうです。
福間> 
福間> > ただ、
福間> > 「a.out と elf の ruby が１つのマシンに共存する」
福間> > と言う状況は前提にしていません。
福間> 
福間> というよりも実は、portを作るときにそうなっていたほうが都合がよいから、
福間> という理由が大きかったりします(^^;;
福間> 
福間> まあ、うまくやればa.out環境とELF環境でライブラリの名前が違っていても
福間> 大丈夫だとは思いますが。

elf を /usr/local/lib/ に
aout は /usr/local/lib/aout/ に
それぞれインストールするのかな？
ぐらいの認識でした。

福間> # いまなら「a.outはサポートしない」という選択肢もありうるけど…

あさみさんから、2.x の ports-current での正式サポート終了が
アナウンスされたのではありますが、3.0.x でも aout は
使えるわけだし、インストールベースでは 2.x がしばらく多そうなので、
悩ましいですね。

福間> > 福間> # 例: libtcl80jp.so.1.4 (Tcl 8.0.4jp)
福間> > 
福間> > ナンバリングは 1 から始めるので
福間> > 
福間> >   libtcl80jp.so.0.4
福間> > 
福間> > ではないのが ruby-2.0 を考えると悩ましいですね。
福間> 
福間> ああ、こういうケースをすっかり忘れていました。
福間> これだと libruby1.so.2.3 は使えませんね…。

major を、パッケージ番号とは切り離して管理する
必要を強く示唆していますね。
それに、この問題は、freebsd-elf だけでなく、ほぼ全ての
モダンな共有ライブラリを持つＯＳに共有すると思います。

これは、automake/libtool を使うか／使わないかとは
無関係に存在する問題です。

福間> ということで、ひとまず
福間> 
福間> > 福間>   libruby.so.12.3
福間> 
福間> になるようにしてみました。バージョン番号の付け方(増やし方)の基準が
福間> もうちょっと詰められたら、適当に変更したほうがいいかも知れません。

  ruby-2.10 

とか行くとやばいですが、

  ruby-2.0

的な問題は解決しますね。

福間> ELF環境だと、拡張モジュールを作るときにも -Wl,-soname,hoge.so なんてのが
福間> 渡ってしまいますが、実用上問題はないでしょう。たぶん。

これ不要ですか？
拡張モジュールから、 libruby.so の関数を呼ぶので必要かと思ってました。


福間> # autoconfをよく分かってないので、なにか変なことをしているかも
福間> # しれませんが(^^;

そんなことはないです。

autoconf/automake/libtool をつかっても、ライブラリのナンバリングや
インストール先への注意は以前として必要なので、この種の
情報は貴重です。

libtool はある程度は賢いので、プラットホームの差を比較的
吸収してくれますが、ruby の場合拡張モジュールがあり、
これはまつもとさん謹製のダイナミックロードコードを使っているので、
ファイルの拡張子やリンク方法についての、libtool は直接は支援
してくれません。構築手順のプラットホーム毎の調査が必要です。

似たような状況に、perl や apache の動的ロードもなっているようです。

automake/libtool の採／否についての議論もありますが、
各プラットホームで、

	configure --enable-shared

の動作状況や、拡張モジュールの動的ロードを
を地道にテスト／報告して行き、だんだんと
それぞれのプラットホームの特性についての知識を
蓄積することが大切だと思います。

	えぐち

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