[ruby-dev:5230] Re: a genericity

ごとけんです

In message "[ruby-dev:5215] Re: a genericity"
    on 99/02/17, [e-mail] <[e-mail]> writes:

>  豊福＠パパイヤです。

返事サボっててごめんなさい (_ _;;

>  最近 prec について次のようなことを考えていてもんもん
>としています。
>
>  {integer,rational}.prec(Float)
>    この意味は OK

問題ないと思います．

>  float.prec(Rational)
>    この意味は？精度を上げてよいのか？
>    それとも float を正確な値とみなして Rational に
>    変換してるのか。それだと precっぽくない。

僕は今のところ構わないと思っています．
# この議論は絶対長引くので今はしない方が良さげですが (^^;;

>  float.prec(Integer)
>    この意味は？float.prec(小数部無しの固定小数点数)
>    なのか。float と固定小数点の精度は比較できない
>    けどいいのか。それとも float を正確な値とみなして
>    小数部切って正確な整数値を求めているのか。それだ
>    とこれも precっぽくない。

これも，問題ないと思います．ぼくは(石塚さんと違って)
Integer や Float はそれぞれ実数の近似だと思っていますから．
# この議論も長引きそうです．

>  最後にごとけんさんにお願い。
>
>>> クラス WhileUpto3:
>>>     labmda{|a| 1.upto(3){break if a == 1; a = (a%2==0)?(a%2):(a*3:1)}
>>> クラス WhileUpto100:
>>>     labmda{|a| 1.upto(100){break if a == 1; a = (a%2==0)?(a%2):(a*3:1)}
>>> クラス While:
>>>     labmda{|a| while(a != 1); a = (a%2==0)?(a%2):(a*3:1); end}
>>> みたいなのにも精度を与えることができます．この場合の
>>> 「精度の順序」は全順序で WhileUpto(3) < WhileUpto100 < While
>>> とかなります．このような場合は，generality も精度と同じ
>>> 順序をもった方がよいと思います．ちなみここでの自然な演算は
>>>  * と + で，+ は可換な concurrency で * は非可換な concatenate
>>> ですね．
>>   うっ、これまたわからない。(;_;)
>> もしかして
>>     a = (a%2==0)?(a/2):(a*3+1)
>> ですか。（そうであったとしてもわからないことに変りは
>> ないのですが）
>>   クラス WhileUpto3 のインスタンスには例えば何がある
>> のですか。どう * と + を自然な演算とみるのですか。
>
>これの答を教えて下さい。

えっと，これは，クラスとそのインスタンスを与えていたので
Proc オブジェクト自体がインスタンスです．ただちゃんと書いて
なかったので悩ませてしまい申し訳なく思っています．

さて，もし任意の整数よりも大きな整数 Integer::Inf があれば，
次のような感じで定義されます．


class Integer
  Inf = 1e999 # pragmatic definition of infinite 
end

class While
  def initialize(cond, body, upto = Integer::Inf)
    @cond = cond
    @upto = upto
    @body = body
  end

  attr_reader :upto

  def result(init, var)
    eval(init)
    __idx__ = 0
    1.upto(@upto){|__idx__| break unless eval(@cond); res = eval(@body)}
    eval(var)
  end
end

これは，高々 upto 回繰り返される while です．
インスタンスは，

kakutani = While.new("a != 1", "a = (a%2==0)?(a/2):(a*3+1); p a")

のように与えます(角谷の問題)．
# インスタンスを間違えてました．悩ませてごめんなさい．

実行は

res = kakutani.result("a = 11", "a")

等とします(いちおう動く例です)．

さて，WhileUpto3 はこれに対し，

class WhileUpto3
  def initialize(cond, body)
    @cond = cond
    @upto = 3
    @body = body
  end

  # 以下 While と同じ
end

と定義されます．僕が意図したのは，高々3回しか繰り返さない
while は，回数が無制限の while の近似であると言うことです．
これは，ややニュアンスは違いますが，不動点意味論の考え方に
基づいています．この場合，直線構造をした完備束，
WhileUpto0 < WhileUpto1 < .... < While
の最大元 While によって while が表現されています．

一般にプログラムで書けるものは部分帰納関数であるという
Church の提唱を受け入れると，ruby のプログラムは全て
Scott位相で連続関数とみなせ，Scott位相を定める完備半順序
(上の例では完備束)に対応して近似概念を得ることが出来ます．

まぁここまでやるこたないけど近似概念の拡張というのは，そういう
とこまで出来ますよという話しもあることを紹介したかったのでした．

-- gotoken