[ruby-dev:4632] Re: module Precision

ごとけんです

In message "[ruby-dev:4557] Re: module Precision"
    on 99/02/01, GOTO Kentaro <[e-mail]> writes:

>最大の問題は，精度解決のための最終的なメソッドを用意する
>マナーです．induced_from と prec のピンポンが起こったことを
>検知できないというのに気づきました．

おおむね考えましたが結構ややこしいので、議論を求めます。

まず、僕の考える精度変換のときの方針を説明します。
ある、数値 num があったとき、この数値を別の精度をもつ
数値クラス OtherPrec のオブジェクトに変換するためには
num.prec(OtherPrec) で得られるようにしようというのが
基本方針です。

さらに、例えば Matrix や Complex のようにそれ自身は精度を
もたないが要素の精度を指定したい場合に同名の prec という
メソッドで精度変換するのもよいと思います。が、Precision 
自体とは一応独立の問題です。

現在の Precision で定義されている prec の動作は以下です:

  def prec(klass)
    klass.induced_from(self)
  end

ところが、Integer.induced_from が OtherPrec を知っている
ことは期待できないので、induced_from の実装は次のように
なります(現行とは違います)。

  def Integer.induced_from(num)
    case num
    when 組み込み数値クラス
      num.to_i
    else
      num に再度 Integer への変換を要請(*)
    end
  end

さて、ここで (*) の部分で prec(Integer) を使うと
無限ループになりスタックがあふれて止まってしまいます。

そこで (*) のためには prec とは別の精度変換のメソッドが
必要です。これを terminal_prec (仮称)としますと、
次のような問題が考えられます。

  1. そもそも prec が terminal_prec を演じれば済むのでは??
  2. terminal_prec で無限ループしない保証はできないのでは??

これを検討します。
まず 1. はそうかも知れません。少し整理すると必要なのは、

  1.1. ある数値のインスタンスを返す同名でシグニチャが
       固定されたクラスメソッド
  1.2. 他の精度をもったクラスへの同名の変換メソッド

です。そこで、これを守りやすくするために Precision という
mixin を考えました。現在の Precision はこのように精度に
関する上の規約を明示することが第一義の mixin になっています。
もちろんこのような状況を書いた文書を用意すれば prec と
terminal_prec は同じでも確かに構わない気がします。

一方、2. の問題はやや深刻ですがよい解決案を思い付きません。
精度をもった数値クラスを用意する人は、少なくともオブジェクト
が自力で精度変換するメソッドを用意する必要はあるのでしょう。

現在の僕の考えは、新しく精度をもった数値クラスを実装する人は
クラスメソッド induced_from と terminal_prec を用意し、
Precition をインクルードするというモノです。
これに対する何らかのコメントをどなたかお持ちですか??

長くなりましたが、将来的には精度というものをもっと抽象化して、
何らかの形でその数値の仕様を返すようにして terminal_prec に
相当するものを書きやすくするユーティリティや、精度変換の際の
情報損失の有無を調べるメソッドなども Precision で用意できれば
と思っています。

-- gotoken