[ruby-dev:20748] [BigDecimal] exception handling

斎藤です。
BigDecimalの例外の扱いにまつわるパッチを作りました。

・引数に正の整数を渡さなければいけないメソッドにゼロ以下の数を
　渡すと、現状fatalになってしまいます。これはちょっとやりすぎでは
　ないでしょうか。他にあわせて、ArgumentErrorにしてみました。
　またエラーメッセージも、他のファイルに似せたスタイルにしました。

・BigDecimal#to_i において、レシーバがIntegerで表現できない
　値(NaN、±∞)のときにnilを返していましたが、Float#to_iに合わせて
　FloatDomainErrorをあげるようにしてみました。

・表題とは関係ないのですが、ISDIGIT()を使うべきところはそちらを
　使うようにしました。


ただ、まだよく分からない事があります。

・VpDivd()内のspace_error:の部分でもrb_fatal()が使われていますが、
　ここに到達する条件がいまいちつかめませんでした。
　もし、/* NOTREACHED */ 的な意味なのであれば、rb_bug()の方が
　用途に合っていると思います。

・こちらの方が大きな問題だと思うのですが、BigDecimalとしての
　領域エラーをraiseするとき、*Float*DomainErrorを使っていますよね。
　(今回のパッチでも、現状に合わせてそうしています)
　これはRuby全体の整合性から考えて、望ましいことなのでしょうか。

　FloatとBigDecimalの領域エラーを別々にとらえたい需要がゼロで
　あると断言できない限り、BigDecimal::DomainError(< RangeError)
　などを作って、そちらを利用した方が健全ではないでしょうか。
　(こうすれば、FloatとBigDecimalのどちらの領域エラーも捕らえたい
　場合も、RangeErrorを使えばできます。)

　あるいは、FloatDomainErrorはFloatに関わる場面以外でもraiseできる、
　数値計算に関する汎用的なものとみなすべきなのでしょうか。
　(もしそうならば、あまり名前が良くないと思います)

とりあえず、最初の3点の方のパッチをつけます。


Index: bigdecimal.c
===================================================================
RCS file: /src/ruby/ext/bigdecimal/bigdecimal.c,v
retrieving revision 1.10
diff -u -p -r1.10 bigdecimal.c
--- bigdecimal.c        18 Jul 2003 15:23:23 -0000      1.10
+++ bigdecimal.c        21 Jul 2003 04:49:13 -0000
@@ -254,7 +254,7 @@ BigDecimal_load(VALUE self, VALUE str)
     pch = RSTRING(str)->ptr;
     /* First get max prec */
     while((*pch)!=(unsigned char)'\0' && (ch=*pch++)!=(unsigned char)':') {
-        if(ch<'0' || ch>'9') {
+        if(!ISDIGIT(ch)) {
             rb_raise(rb_eTypeError, "Load failed: invalid character in the
marsha
led string");
         }
         m = m*10 + (unsigned long)(ch-'0');
@@ -325,7 +325,7 @@ GetPositiveInt(VALUE v)
     Check_Type(v, T_FIXNUM);
     n = FIX2INT(v);
     if(n <= 0) {
-        rb_fatal("Zero or negative argument not permitted.");
+        rb_raise(rb_eArgError, "argument must be positive");
     }
     return n;
 }
@@ -384,7 +384,14 @@ BigDecimal_to_i(VALUE self)

     GUARD_OBJ(p,GetVpValue(self,1));

-    if(!VpIsDef(p)) return Qnil; /* Infinity or NaN not converted. */
+    /* Infinity or NaN not converted. */
+    if(VpIsNaN(p)) {
+       rb_raise(rb_eFloatDomainError, "NaN");
+    } else if(VpIsPosInf(p)) {
+       rb_raise(rb_eFloatDomainError, "Infinity");
+    } else if(VpIsNegInf(p)) {
+       rb_raise(rb_eFloatDomainError, "-Infinity");
+    }

     e = VpExponent10(p);
     if(e<=0) return INT2FIX(0);
@@ -2012,7 +2019,7 @@ VpAlloc(U_LONG mx, char *szVal)
     /* Skip digits */
     ni = 0;            /* digits in mantissa */
     while(v = szVal[i]) {
-        if((v > '9') ||(v < '0')) break;
+        if(!ISDIGIT(v)) break;
         ++i;
         ++ni;
     }
@@ -2026,7 +2033,7 @@ VpAlloc(U_LONG mx, char *szVal)
             ++i;
             ipf = i;
             while(v = szVal[i]) {    /* get fraction part. */
-                if((v > '9') ||(v < '0')) break;
+                if(!ISDIGIT(v)) break;
                 ++i;
                 ++nf;
             }

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斎藤ただし