[ruby-dev:46378] Re: RubySpecメンテナ

(2012/11/02 18:47), Yukihiro Matsumoto wrote:
> まつもと ゆきひろです
> 
> In message "Re: [ruby-dev:46364] Re: RubySpecメンテナ"
>     on Fri, 2 Nov 2012 18:33:15 +0900, Yusuke Endoh <[e-mail]> writes:
> 
> |すでにある spec を直すだけでなく、新機能が入った時に rubyspec を
> |更新するような積極的な参加をしてほしいってことじゃないかと。
> |それをやってる (やってた) 日本人はいない気がします。
> 
> じゃあ、ちょっとやってみようかな。まずはSpecの書き方から勉強
> しないと。

まめさんと同じ認識で、spec の追加もしてほしいってことなのでしょう。
それはわかっちゃいるし、直接だったか人づてだったかで要望された記憶も
あるんですが、先のわたしのメールで述べたとおり、そしてまめさんも指摘
しているとおり、積極的に関わるモチベーションがないんですよね……。

で、浅里さんは追加もしていますね。

> |アイデアの是非はわかりませんが、単に motivation というリソースの
> |問題じゃないかと思いました。
> |そもそも RubySpec の受益者は JRuby や Rubinius なので、CRuby 開発
> |者にはメリットがないし、「仕様」と言いつつ「CRuby の実装解説書」
> |を目指してる実態にも思想にも魅力を感じないです。
> 
> mrubyという別実装を作ってる私にはメリットはありえるのかもし
> れません、将来的には。

「CRubyの内情を知っている人がもっとRubySpecに手を入れたほうがいい」
というまつもとさんのアイディアは自然なものですし、
まさに brian が言いたかったことだと思います。

けれども、motivation の問題からそれは難しいと思っています。
我々は RubySpec の受益者ではない、と言うことはこれまでも
何度かメールで指摘しているんですが、brian はそこから目を背けるんですよね。

> |> 「仕様決定に参加したい」という根源的な欲求を満たしていない時
> |> 点でダメなのかもしれない。明日にでも「Redmineに来い」と言っ
> |> てみるかぁ。
> |
> |本当にそんな欲求があるんですかね？ 前 IRC で Brian と話したときは、
> |「自分たちに言語仕様を決める権利はないし、そのつもりもない」って
> |言ってたんですが。
> 
> せっかく同じカンファレンスに出席してるんだから、本人と話して
> みます。

長いので章分け

== 「仕様を知る」とは

思うに、Rubyは仕様を決める側に回らないと仕様を「知る」ことができないので、
手段として決定に参加したいのかと思います。

具体的には、rdoc と実装が矛盾していることをチケットとしてあげると、
あるときは rdoc が違うといい、またあるときは実装のバグだといい、
酷い時には両方おかしいと言います。
brian が困惑するのもわからんでもありません。

が、別にぼくらは堅固かつ不変不朽な Ruby 仕様を作りたいわけではなく、
一番使いやすい Ruby を作りたいのですから、実装当時想定していなかったケース
については、個別具体的に考える…というか「決める」ことになります。
つまり、Ruby の細かい仕様を知るということは、仕様決定への参加に他なりません。
この「仕様決定」は CRuby の実装を通して行われますからー、
まぁ Redmine/ruby-core に来ていただくしかありませんね。

「知る」は「領る」に由来して、支配する事を意味する、とか古文で習いましたが、
Rubyの仕様も「知る」には決める場にいないといけない、と。

しかし、その意味で委員会で仕様決定というのは至極王道に聞こえるんですが、
委員会で決めた仕様に CRuby が強調してくれるという素朴な前提がありますね……。

== 決定とは

ところで、ぼくらは普通に相談して仕様を決めているわけですが、
この辺の決定プロセスも彼らには不可解に見えるのかもしれないと思っています。
ので、 http://en.wikipedia.org/wiki/Consensus_decision-making や、
これの中ほどにあるフローチャートを見せるといいような気がしているんですが、
これだけじゃ足りないかなぁ。

-- 
NARUSE, Yui  <[e-mail]>