[ruby-dev:34729] Re: バックスラッシュを含むsub/gsubの挙動

From: "keisuke fukuda" <[e-mail]>
Subject: [ruby-dev:34727] バックスラッシュを含むsub/gsubの挙動
Date: Fri, 16 May 2008 20:38:44 +0900

るびきちです。

# ruby-list向きかな。

> sub/gsubの挙動で、
> '　→　\\'
> という置換をしようとした場合の挙動についてです。下記の動作は意図的なものでしょうか？
> ' （シングルクォート）以外も、起こる文字と起こらない文字があるようです。
> 網羅的に試したわけではないですが、'& などでは起こり、$#などでは起こりません。

意図した仕様です。

--- gsub(pattern, replace) -> String

文字列中で pattern にマッチする部分全てを
文字列 replace で置き換えた文字列を生成し返します。

Ruby 1.6 以前では pattern が文字列の場合、
その文字列を正規表現にコンパイルしていました。
しかし Ruby 1.8 以降では、その文字列そのものがパターンになります。

置換文字列 replace 中の \& と \0 はマッチした部分文字列に、
\1 ... \9 は n 番目の括弧の内容に置き換えられます。
置換文字列内では \`、\'、\+ も使えます。
これらは [[m:$`]]、[[m:$']]、[[m:$+]] に対応します。


--- $'

現在のスコープで最後に成功した正規表現のパターンマッチでマッチした
部分より後ろの文字列です。

最後のマッチが失敗していた場合には nil。

[[m:Regexp.last_match]].post_match と同じです。

この変数はローカルスコープかつスレッドローカルです。


================
# *1
"'foo'".sub(/'/, "\\'")        # => "foo'foo'"
# *2
"'foo'".sub(/'/, %q!\'!)       # => "foo'foo'"
# *3
"'foo'".sub(/'/) { |m| Regexp.last_match.post_match } # => "foo'foo'"

*1を等価なものに書き換えると*2になります。
で、置換文字列が「\'」なので後にマッチした文字列「foo'」に置き換わるのです。
ブロック記法にすると*3とも等価です。

--
rubikitch
Blog: http://d.hatena.ne.jp/rubikitch/
Site: http://www.rubyist.net/~rubikitch/