[ruby-dev:13608] Proc#call

原です。

では Proc#call の話です。ここでは

 >  (i)   x = 1, *[]
 >  (ii)  Proc#call
 >  (iii) Method#to_proc

これらを決めたい。Proc#call と多重代入との違いは、Proc#callには
次の様な要請があるという事ですね。

   (1) call(1, 2) と call([1, 2]) を区別したい。
   (2) call の引数の数のチェックをしたい。

＃この2つ以外にあります？


で、私の案です。単純なんですが、次の様なものはどうでしょう。

まず、(i) ですが、これはまだ保留にします。そして call(B) の B に
おける *obj の展開は普通のメソッドへ引数と同様にします。例えば

   call(1, *[]) は call([1]) でなく call(1) と同じ

となります。（これは他に選択肢は無いでしょう。）

次に(ii)ですが、基本的には今まで通りとします。ただし、Proc.new,
lambda, proc は、一つの整数値を引数（arity）にとる事を可能とし
て、それをより理解しやすい仕様にします。

   proc([num]){}
     num が指定されていれば、それを arity とする Proc オブジェクトを生成
     する。この時、callの（*による展開後の）引数からブロックパラメータへ
     の代入は完全に多重代入の仕様に従う。つまり、新しい、純粋な多重代入
     を行うメソッド Proc#yield（cf.[ruby-dev:13597]）を使えば

     class Proc
       def call(*y)
         if arity >= 0 && y.size != arity || y.size < -arity-1
           raise ArgumentError
         end
         self.yield *y
       end
     end

     と説明できる。

     num が省略された場合は従来通り。例えば、次の様に書き換えられる。

     proc{|x| ...}    <=> proc(-1){|x| ...}
     proc{|x,| ...}   <=> proc(1){|x| ...}   #Not proc(1){|x,| ...}
     proc{|x,y| ...}  <=> proc(2){|x,y| ...}
     proc{|x,y,| ...} <=> proc(2){|x,y| ...}
     proc{|*x| ...}   <=> proc(-1){|*x| ...}
     proc{|x,*y| ...} <=> proc(-2){|x,*y| ...}
     等々

とします。つまりnumがあるのが正式で、numを省略した場合のarityの指定を
ブロックパラメータの形で便宜上行わせていると考えるわけです。

最後の(iii)ですが、これは Method オブジェクトには既に arity がセット
されていると考えられますから、それを to_proc は引き継がせる事にしま
す。つまり、

    array.method(:store).to_proc

は、

    proc(2){|x, y| array.store(x, y)}

と同等と考えます。


以上です。相変わらず(i)は保留なんですが。

まあ、パラメータを増やすという、安易にやってはいけないウルトラＣで
はあるけれど、非常にすっきりはします。田中さんの[ruby-dev:13598]で
の要請

 >* 単値の入口から単値の出口へデータが通過する場合、代入(多重代入)のよう
 >  な挙動をすること。(代入の挙動自体が議論中ではありますが。)
 >* 多値の入口から多値の出口へデータが通過する場合、通常のメソッド呼び出
 >  しのような挙動をすること。
 >* 単値の入口から多値の出口へデータが通過する場合、変換が一回だけ起こること。
 >* 多値の入口から単値の出口へデータが通過する場合、変換が一回だけ起こること。
 >* wrapper を定型的に記述可能なこと。
 >* 単値から多値への変換は一種類であること。
 >* 多値から単値への変換は一種類であること。(Proc#call と Proc#yield で
 >  異なるとすればこれは無理?)

も満たすと思います。