[ruby-dev:13545] Re: yield *[[]]

まつもと ゆきひろです

In message "[ruby-dev:13528] Re: yield *[[]]"
    on 01/06/09, Tanaka Akira <[e-mail]> writes:

|さて、現在の挙動をちゃんと理解できたかどうかを確認するために、私が理解
|しているところの挙動を(マニュアル風に)書き下してみました。この理解は正
|しいでしょうか? (左辺の記述が甘いのは承知していますが。)

おおむね正しいようです。しかし、Rubyってのは厳密に記述すると
ややこしいですねえ(自業自得)。

|    右辺式の文法:
|      式 `,' 式 [`,' 式 ...]
|      [式 `,' ...] `*' 式

  * = 1,2,3

なんてのも許容されるんですね(初めて知った ^^;;;)。

あと、

|    展開後、右辺に式がなくなった場合、nil が右辺の値になります。

と

|    ただし、右辺式が「`*' 式」という形で配列に変換した式の値が [] の場合、
|    nil が右辺の値になります。

や


|    右辺の式がひとつになった場合はその式の値が右辺の値になります。

と

|    また、右辺式が「`*' 式」という形で
|    配列に変換した式の値が要素を一つしか持たない配列であった場合、
|    その要素が右辺の値となります。

とかはもしかして重複してます？

|    さらに、右辺式が「式1 `,' `*' 式2」という形で
|    配列に変換した式2 の値が [] の場合、
|    式1 の値自体が右辺の値となります。

これは上述の通り、配列となるのが意図するところです。

|(4) Proc との関連性
|
|    self[arg ...]
|    call(arg ... )
|        手続きオブジェクトを実行します．引数はブロックの引数にそのまま
|        (多重代入のルールに従い)代入されます．
|
|というマニュアルの記述はもはや明らかに正しくありません。

Procは引数がひとつしかなかった場合でも、手続き引数と「似た」
挙動をするようにいじってあります。変更点は

|% ruby -e 'lambda {|a,| p a}.call([1,2,3])'  
|[1, 2, 3]
|% ruby -e 'a, = [1,2,3]; p a'
|1

のように配列の1引数と複数引数を区別すること(ですから、多重代
入としては(a, = [1,2,3],*[]と考えるべきでしょうか)、

|% ruby -e 'a, = 1,2,3; p a'     
|1
|% ruby -e 'lambda {|a,| p a}.call(1,2,3)'  
|-e:1: wrong # of arguments (3 for 1) (ArgumentError)
|        from -e:1:in `call'
|        from -e:1

のように引数の数をチェックすること、そして || が高々ゼロ個の
引数を受け取ることです。

                                まつもと ゆきひろ /:|)