[ruby-dev:13533] Re: yield *[[]]

前田です。

At Sat, 9 Jun 2001 23:11:10 +0900,
Tanaka Akira <[e-mail]> wrote:
> 多値の特別な場合 - 要素が一つしかなかった場合 - を単値と考えることもで
> きますし、単値の特別な場合 - 値が配列だった場合 - を多値と考えることも
> できます。
> 
> 少なくとも、現在の Ruby が多重代入で単値を一般形として採用しているのは
> 今回の議論で明確になったと思います。単値が一般形だから、代入の分割にお
> けるテンポラリ変数の使いかたが単値の形式なわけです。

ええ、そうですね。
基本は単値で、多値がほしい時には便宜的に配列を利用している。

問題は、配列が単値とみなされるか多値とみなされるかはコンテクスト
に依存し、いったんあるコンテクストから切り離されてしまうと、どち
らを意図しているのかわからなくなってしまう点にあると思います。

> もちろん、多値を一般形として採用してもいいわけで、前田さんの提案は突き
> 詰めていえばそういうことだと思います。とすると、
(snip)
> というのは * に単値の配列を多値に変換する演算子という意味をつけよう、
> という提案と受け取れます。

はい、そうですね。

> 個人的には、きれいな提案だと思いますが、なんか波及効果が大きいような気
> がします。
> 
> 例えば単値を期待している文脈に多値で値を返したらどうなるか、とか。妥当
> な挙動は、主値にするか、配列にするか、例外にするか、くらいしかないとは
> 思いますが。
> # あぁ、Scheme では unspecified だったかな。

僕は、一番目の値にするのがスマートなんじゃないかと思います。

a = 1, 2   # a == 1

これを例外にするなら、

a, b = 1, 2, 3   # a == 1, b == 2

も例外にしないと、整合的でないと思います。
# 僕の案では、単値の場合というのは、多値の場合の特殊なケースに過
# ぎませんので。

現在の仕様だと、

yield 1, 2

のように複数の値をyieldした時、

foo { |a| ... }

では、a == [1, 2]となり、一番目の値だけ欲しい場合は、

foo { |a,| ... }

としないといけない、というのがFAQになっているわけですが、多値を一
般形とするなら、

foo { |a| ... }

では一番目の値だけを受け取ることになり、すべての値を配列として得
るためには、

foo { |*a| ... }

とすることになります。

個人的にはこの仕様の方がモデルとしてもシンプルで使い勝手もよいと
思うのですが、互換性の問題が大きいので、Rubyの仕様をこうするべき
だとは言うのはちょっとためらわれますね。

-- 
前田 修吾