From: gotoken@... (GOTO Kentaro) Date: 1999-12-10T12:38:15+09:00 Subject: [ruby-list:19371] Re: オブジェクトの代入について ごとけんです In message "[ruby-list:19366] Re: オブジェクトの代入について" on 99/12/10, Motomichi Matsuzaki writes: >が、なぜそんなに「数学主義」で臨まれるのでしょう? えっと、ひとつには僕が数学科の人間だからです ^^;; >確かに計算機科学は数学や論理学をもとに発展してきましたし、 >実際に数を取り扱う際には全く数学的であることは確かです。 ># 文字列の数学的取扱も可能ですしね > >しかし計算機言語が表現するのは計算機科学の世界に留まらないわけです。 これに対する僕の考えはこうです。計算機科学は計算機に限らず、 およそ計算機で扱えるもの、特に事象(event)や過程(process)といっ た現実世界そのものを物理学に依らずに科学的に扱おうしている点 でユニークな学問です。しかも必ずしも観念的ではなく実行的な方 法論を取るという点で一種の実験科学だと思います。そして理論計 算機科学を基礎づけるのはいまのところ残念ながら数学しかありま せん。計算機科学に関していえば数学がベストだとは思ってません が、それを主張できるほど僕も数学を知ってるわけではないです ^^;;; >オートマトンで文字列の結合を積表現で示すことが、 >数学的に整合がとれるのは確かだと思いますが、 >だからといってそれが常に最適の表現でしょうか? それは分かりません。というのは形式言語理論も歴史の産物であっ て慣習に支配されるからです。しかし、慣習はできるだけ簡素した いという欲求が少なくとも僕にはありますし、多くの人もそうでしょ う。特に形式言語理論は文字列をあつかい、その成果も論文や書物 と言う文字列として表現されるというやや自己言及的な持つため、 特に誤読されにくいように配慮しつつ既存の代数とも整合するよう に洗練された表記を慣習として持つという側面があります。これは 今の「+」の問題と同じ経験にさらされているという点で見習う価 値はあると思います。 # 「+」の問題自体が、僕が言い出したことなんだけど ^^;; >ですから、先に述べた通り、 + * による表現も、 * ** による表現も、 >同じ程度に合理的なんです。ただ後者が学術的に採用されている表現というだけで。 ここで問題になっているのは慣習ですよね。慣習の程度をはかるこ とは不可能だと思います。ただし代数学で発達した演算子に関する 慣習とそれを背景にもつ分野はかなり広く、プログラミング言語も そうです。もちろん等号を「==」とするようなプログラミング言語 独特の慣習もあるわけですが、参考になる事例がすでにある場合は 取り込むというのもひとつの強力な方法だというだけのことです。 逆に既存の慣習に矛盾する解決をすると混乱の原因となる可能性が あるでしょう。 「+」は誤解される可能性がすごくあるよ、というのがこの件に関 する僕の唯一の主張です。 それから、学問は我々の世界認識に関する疑問を基礎付けて解消し ようとする行為の総体の名称だと思っています。失敗も成功も合わ せてそこで得られた成果を様々なレベルで実生活に活かそうとする ことは学問の目的ではありませんが、自然なことではあると思うし、 学問の一つの機能ではあると僕は信じています。逆にテクニックと しての学問を特に学術と呼ぶのだと思うので、松崎さんがおっしゃ ることには賛同しますが、学術的であるかどうかを問題にすること 自体にはあんまり得るところがないと感じます。 -- gotoken # というような人間を誰か雇ってくれないかなぁ