[ruby-list:13585] Re: What is `binding' (was Re: Ruby and LISP)

稲葉です。

Wakou Aoyama wrote:
> 
> 青山です。
> 
> このスレッドも流れを良く読んでいないので、勘違いがあるかもしれませんが。
> 
> Sat, Apr 10, 1999 at 06:54:36PM +0900 において
> Inaba Hiroto さん曰く:
> 
> > 主張を整理します。議題は「rubyやlispですべての代入は束縛であるか」です。

> ちょっと別の見方になりますが、束縛するのは変数の他、オブジェクトがあり
> ます。

オブジェクトの保持する値については考えていませんでした。
議題は「rubyやlispで変数（インスタンス変数は除く）への代入はすべて束縛
であるか」と修正します。（長いなあ）

> 紐モデルでいくと、束縛とは紐そのものであり、代入とは、その紐を変数に持
> たせる事で、変数名はその紐を持っている変数の名前ですね。

ふむ、「紐モデル」での「紐」が「束縛」であるというのが青山さんの束縛の意味
ですね。

ちょっと「紐モデル」を自分なりに書いてみます。(これまでの考え方と
違っていたらいって下さい）
# うーんあらためてここまでの「紐モデル」のスレッドを読むと自分が「束縛」
# について考えていたことにシンクロしている...

世界には「もの」(=object)がある。
また「紐」があり終端にフックがついていて「もの」に引っかけられている。
紐の始端（フックの反対側）には「タグ（名札）」（=variable）がついていて
「タグ」には「名前」（=変数名）が書いてある。

あるいは、紐の始端は「もの」がにぎっている時もある。
「もの」がにぎっている「紐」をどのように識別しているかはその「もの」に
よる。

Arrayのように整数値で識別されるときもあるし、Hashのようにキーの「紐」
とそれに対応する値の「紐」の対応関係を管理している時もある。インスタ
ンス変数のように「もの」独自の「タグ」による場合もある。

「タグ」もついていないし、「もの」ににぎられてもいない「紐」は存在しない。
フックが「もの」にひっかかっていない「紐」もない。

また、「フォルダー」(=scope)があって、いくつかの「タグ」（「もの」独自の
「タグ」は除く）をまとめてもっている。

ひとつの「フォルダー」がもつ「タグ」中には同じ「名前」をもつものはない
が、
「タグ」全体としては（「もの」独自の「タグ」を抜いても）同じ「名前」をもつ
ものがありうる。

（rubyでは）「タグ」は「もの」ではないし「紐」も「もの」ではない。
「フォルダー」はbinding関数で「もの」として得ることができる。

> 代入 == 束縛とはちょっと違うと思います。
> 
> > ・束縛を、狭い意味で「新たに変数を導入してそれに値を結び付けること」と
> > いう意味に使用することが特にLisp方面では多い。この意味ではrubyもlispも
> > 代入＝束縛ではない。
> 
> 上記のように、束縛は変数の導入とも同期していませんし、やはり代入と束縛
> は別と思われます。

新しい「紐」はいつ必要になるでしょうか？青山さんは「代入は紐を変数に持た
せる事」としていますが、既に値を持っている変数への代入においては、その
「タグ」がついている「紐」の終端のフックをはずして代入する「もの」に引っ
か
けなおせばいいですよね？新たに変数を導入した場合（新しい「タグ」を持って
き
た時）にのみ新しい「紐」が要りますよね？

すなわち青山さんの「紐＝束縛」という定義でも（こういう「紐再利用」モデル
においては）変数束縛は変数の導入に同期していると思うのです。この場合
この定義は自分の「狭い意味の」束縛の定義に一致しているとおもいます。
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			稲葉 浩人  <[e-mail]>