[ruby-dev:4531] Re: permit to put a comma

前田です。

Koji Arai <[e-mail]> writes:

> でも、
> 
>    メソッド呼び出しの最後に","は不要
> 
> の理由が私には今ひとつです。将来の拡張の足かせにな
> るかもしれないからという理由でしたら、納得しますけ
> ど。そういうことですか？

いいえ、「美しくないから」という理由です。

例えば、ifの条件節で、

if cond1 &&
   cond2 &&
   cond3 &&
     then
  ...
end

のような書き方を、条件の追加を楽にするために許して欲しい、
という要望があったらどう思われます?

最後に","を許すように文法を変更した場合のメリットは、ごく限ら
れたケースにおいて、手間が少し減るということだけなので、文法
変更を正当化するほどの理由にならないと思います。

書く手間を減らしたい、という欲求を推し進めると、Perlのような
言語に行き着くと思うのですが、RubyにはPerlになって欲しくあり
ません。
# 別にPerlを否定しているわけではなくて、ここがRubyとPerlが袂
# を分かつところだと思い、かつRubyの行き方の方が好きだからこ
# そ、このように書くわけです。

> > 実際僕は自分のプログラムでStructを使ったことはおそらく
> > ないと思います。
> 
> 私も、これまで使ったことなかったのですが、
(snip)
> table_t = Struct.new("Table", *line.split)

ということは、新井さんも、実際のプログラミングにおいて、構造体の
属性を追加する時に今の仕様を不便に感じた経験はないわけですよね?
だとすると、なおさら文法変更の動機付けとしては弱いように思います。

> > > # 引数がArrayの場合
> 〜略〜
> > > や、
> > > 
> > > # 引数がHashの場合
> 〜略〜
> > こちらについては賛成です。
> 
> きっと「Structの問題はStructで解決」という点で賛成
> していただいているのでしょうが、

いいえ、こちらは文法変更ではなくライブラリレベルの変更だからです。

> 「","を許すためだけに、インタフェースをもう1つ用意
> する…うぅ、それよりは、Rubyの構文が","を許したほ
> うがいいじゃん」

[ruby-dev:4344]でまつもとさんが、

> メソッドの追加は気安く，文法の変更は慎重に，が最近のポリシー

とおっしゃっているように、文法の変更の場合には、ライブラリレベル
の変更の場合よりも慎重になるべきだと思います。

もっとも、ライブラリレベルの変更は、採用されなくてもユーザが自前
のライブラリを書いてrequireすればいいわけですから、こちらについて
も、本当に必要な機能だけを標準ライブラリに取り入れるべきだと思い
ますが。

> > ただ、本当のところを言うと、配列やハッシュの要素の最後に,が
> > 許されるという仕様も、個人的にはあまり好みではなかったりします。
> 
> なぜだろ？

同様に「美しくないから」という理由です。

ただ、ハッシュの場合は、

$cfg{"master-jp"} = {
	fqdn => "master.debian.or.jp",
	incoming => "/pub/Incoming/private",
	mailto => "debian-devel\@debian.or.jp",
}; 
# これはRubyじゃなくてPerlの例ですが。

のように、プログラマではなく、アプリケーションの利用者が
設定ファイルで編集する場合があるので、ある程度便利さを優
先しても仕方がないのかな、という気もします。

-- 
前田 修吾 (mailto:[e-mail])