[ruby-dev:4155] Re: call/cc

前田です。

[e-mail] (YANAGAWA Kazuhisa) writes:

> > 1975年の時点で既にcall/ccと同等の機能はあったようです。
> > ただ名前はcall-with-current-continuationではなくcatchで、関数ではなく
> > 特殊フォームだったそうです。
> 
> 「任意の時点での continuation を取り出し，それを引数としてブロックを評
> 価する」という機能が，ですか．「適当な関数を continuation として渡すこ
> とができる」とかではなく．

R5rsの以下の記述から、catchと同等の機能が普通の手続きとして実現されたものが
call/ccであると推測されます。

     Most programming languages incorporate one or more special-purpose
     escape constructs with names like exit, return, or even goto.  In
     1965, however, Peter Landin [16] invented a general purpose escape
     operator called the J-operator.  John Reynolds [24] described a
     simpler but equally powerful construct in 1972.  The catch special
     form described by Sussman and Steele in the 1975 report on Scheme
     is exactly the same as Reynolds's construct, though its name came
     from a less general construct in MacLisp.  Several Scheme
     implementors noticed that the full power of the catch construct
     could be provided by a procedure instead of by a special syntactic
     construct, and the name call-with-current-continuation was coined
     in 1982.  This name is descriptive, but opinions differ on the
     merits of such a long name, and some people use the name call/cc
     instead.

catchは特殊フォームということなので、let/ccみたいなのだったのでは？
# 根拠はまったくないです(^^;

> > # ちなみにアクタモデルはPlannerじゃなくてPlasmaみたいです。
> 
> 「Planner より小規模な企みをするものはなんだろう? schemer（陰謀家）で
> どうだ」という joke を含むことからすると Planner であってると思うんで
> すの．

たしかに、Schemeの名前の由来は、Planner -> Conniver -> Schemerの
ようです。
# ちなみにConniverよりもっとスニーキー(卑劣)なPlannerという意味らしい(^^;

> Plasma も Agha さん作の actor モデルな言語ですけど．「欧米の専門家の間
> でも難解なことで有名な論文」を読んだわけでもないのでちょっとわからない．

え、PlasmaはHewittの設計ではないのですか？

> # Plasma -> ? -> Planner っていうような線だったと思う．でもこの情報は
> # どこでみたんだ (^^?

bitの記事によれば、

Planner -> Plasma -> Scheme

ということのようです。
# PlannerもHewittの設計なのですが、複雑すぎて実装は結局できなかったらしい。
PlasmaはSussmanがConniverを設計した後でHewittが設計した言語で、Conniver
よりさらに良かったのだそうです。
で、「Plasmaは、アクタモデルというCarl Hewittの新しいアイデアに基づいていた」
という記述があってアクタモデルの話に入っていくので、おそらくアクタモデルは
Plasmaではじめて導入されたのではないかと。

-- 
前田 修吾 (mailto:[e-mail])