ruby-dev

小林です。

----- Original Message ----- 
From: "Shin-ichiro HARA" <sinara@blade.nagaokaut.ac.jp>
Subject: [ruby-dev:33773] Re: bigdecimal

原>  1.3m のひもから 0.3m のひもは何本とれるでしょう？
原> という問題を考えると、1.3.div(0.3) で 4 本ですよね。これを 4.0 本と答え
原> ると変な感じがする。

前に
小林> truncate 等の結果ががIntegerというのは２進Floatの特異性から
小林> きているのでは？　複数クラスにまたがるより、本来一つのクラス
小林> 内で閉じていたほうが自然と思います。
とか
小林> コンピュータアーキテクチャーに振り回されているだけの
小林> ような気がします。
といった書き込みをしましたが、これについて補足して回答
させていただきます。

私は普段 Excel とか VB を駆使して計算をすることが多いせいか
4.0本でも全く気になりません。

この違いを想像するに「現在のコンピュータアーキテクチャーは
実数の部分集合である整数を int に、更に（整数を含んだ）実数を
 float にと扱いを分けてしまった」ことに起因していると思います。
効率や限られた資源から当然といえば当然なのですが…。
しかし、これがあたかも異なる集合体のように捕らえられがちに
なってしまったのではないでしょうか？
実際（格納桁数は別にして）int と float（の整数部分集合）
は可換ですから、なにもメモリーやビットパターン等を気にせず
表現されている数値そのもので考えれば良いと思っています。

例をあげると
 C(Ruby): 5/2=>2     5.0/2.0=>2.5
 VB     : 5/2=>2.5   5.0/2.0=>2.5  5\2=>2   5.0\2.0=>2
となるわけです。
Cでは演算の結果をどちらの「集合」に属させるか悩むことになります。
そして、その結果は「属している」集合（と演算子）に依存しています。
かたや VB は単なる実数から実数へのマッピングで、結果は数値では
なく演算子（のみ）に依存しています。
そのため整数のみにマッピングさせる演算子 \ が追加されます。
この点に関して（だけ）私は VB を支持しています。

実現性を無視した極論をいわせてもらえれば、数値クラス
は複素数までをカバーする Numeric のみで、演算子（メソッド）だけ
で自由に（整数や実数に）マッピングできれば完璧でしょう。
（リテラルもマッピングの一種だし、多分内部表現はRational？）

とまぁ、単なる思い込みです。Ruby 本体に組み込まれるならば
別かもしれませんが、付属のライブラリーにまでこれほど親和性
を求められるとは正直思ってもいませんでした（リリース後に）。
他のライブラリーも同様なんでしょうかね？

次版（？）では Rational や Complex が本体に組み込まれる
ようなので、この際、BigDecimal（ではなくて Decimal として）
も再設計の上、三点セットで本体に組み込んだらどうでしょうか？
その場合
　１．他から持ってくる。
　２．現在のものを流用（改良？）する。
といったことが考えられます。私が関係するとなれば２．ですが、
残念ながら、余裕がないのでせいぜい質問に答える（or 無視）
 ＆ 原版のバグ修正くらいしか寄与できないと思われます。
当然ながら公開して修正・再配布を許可しているわけですので
現状版をどう利用する（しない）かについてはお任せします。

それでは

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