[ruby-list:18901] Re: Database and Object Oriented Programming

お世話になっております。 A.中村です。

On Wed, 24 Nov 1999 22:33:16 +0900
Akihiro Yamauchi <[e-mail]> wrote:

> で、きのうRuby本の5章のRubyオブジェクト指向設計を読んでいたら、設計の
> アプローチのしかたがまったくそっくりでした。(データベースでいうエンティ
> ティの抽出が、Rubyでいうオブジェクトの抽出になるんでしょうか)

あ。楽しそうな話題が(^^;;;;

これについての話はそこかしこで聞いたり喋ったり(笑)しましたが、
結論言っちゃうと、やっぱり別物だなぁ、でした。

勿論、データに枠組みを与えて管理しやすくするという
やりかたに、お互い通じるところとかも結構あるんですが、
違うところも結構あるって感じです。

んで、違うところってーと、
1:振る舞いの有無
2:継承の有無
3:同一と同値の違いの解釈の相違
こんな感じかなと思いました。
＃なんか他にも忘れているような気がするけど、まぁ…

1:
RDBにゃ、自分で作り込んで差をつけるような振る舞いってのは
ないっすよね。勿論検索とか更新とかはありますが、データ個々が
それらを知っているわけじゃなくて、そういう機能はRDBシステム全体に
唯一存在するだけです。最近の拡張モノだとどうだか知りませんが。

2:
継承も、そういや最近の拡張モノにはあるんでしたっけ(^^;
うーん。でも基本的にはナイことになっているようで。
むしろ「One Fact in One Place」を唱える人には
継承であちこちのクラスに「同じ属性」があるようになるってのは
ブキミなんだそうです。俺の感覚では逆に継承できないほうが
ブキミですが(笑)。

3:
これ最大の差っすね。上記で「データ個々」なんて言いましたが、
そもそも個々という概念があるかどうかが違います。
御存知oopには「個」があります。インスタンスって奴。
よって、同値と同一は原理的には常に別な概念です。
＃という言い方で、いいんでしたっけ(^^;

一方RDBでは、(レコードをインスタンスに見たてるならば、
という仮定で喋ってますが)表の結合だかなんだかという概念が
あることからもわかるように、レコードがデータの基本単位
だという発想はないようでして、sqlによって(笑)自由に
ばらばらにされたり別のテーブルと組み合わされたり、Distinct
され(同値のものは同一だと見なされ(!))たり、しちゃうわけです。
結局、同値と同一は区別されないようです。
＃で、俺は、RDBの検索は「データ」を得るものではなくて
＃「データの見なし方(の数)」を得るものだと思いました。
まぁこれも、オブジェクトIDに相当するカラムを一つ余計に用意したり
することでOOPの真似っこは出来ますが、ネイティブじゃない。

で、個々がなければ、多態のしようもないわけです。
まぁ継承は出来るかな。データ(レコード)じゃなくてテーブルを単位に
して考えれば。でもそう考えるってことは最早oopじゃないわけで。


とゆー印象をもっています。


＞データベースはオブジェクト指向プログラミングと相性
＞がよさそうに感じてしまったんですがどうなんでしょう? 

以前の仕事で触ってた某システムは
オブジェクトをユーザーもプログラマもいじるような
生粋のoo環境のように見えますが、背後で実はRDBが
動いていて、オブジェクトを一旦分解してテーブルに
格納したり、その逆をやったり、していました。

で、そのDBそのもののテーブル定義(クラス定義を読んで
システムが自動的に生成する)は、OOとして見ても
RDBとして見ても、ちょっと変わった(^^;作りになっていました。
オブジェクトをオブジェクトとして扱いたいがために、
常に「select*」(=1テーブルの全属性を取り出す)を
行う羽目になってしまっていたり(^^;;;;。うーん。

綺麗さやパフォーマンスを損ねずにRDBとOOPを融合するのは
なかなか大変なんじゃないかなと思います。

うーん。「やっぱりODB」という話になるんでしょうか(^^;