[ruby-list:29522] Re: （ a -2) と (100 -2) の違いは

At Sun, 6 May 2001 08:29:09 +0900,
島田 喜郎 wrote:
> RubyもPerlも、関数をカッコなしで使えることにこだわってい
> ますが、この点は余り好きになれません。わたしは、必ず括弧
> をつけて書くことにかなりこだわっています。
> 
> 「Rubyを256倍使うための本 無道偏」で青木峰郎さんは、Racc
> を使う例の中で、やはりカッコなし関数の文法を説明されてい
> ます。その結果「Raccはとても難しくて私には使えないな」と
> いう気ちになるほど処理が複雑になってしまっています。その
> うえ、曖昧さも完全には解消できません。

　Ruby には「関数」というのはなくて、ほとんどの操作は何らかの
オブジェクトのメソッド呼び出しになっています。例えば、

	require 'thread'
	puts "hello"
	exit 0

はデフォルトの self である Kernel クラスのプライベートメソッド
require, puts, exit の呼び出しですし、プロパティ参照のように
見える

	time.year
	str.length
	f.fileno

もすべてメソッド呼び出しです。さらに、四則演算から `...` から
obj.x = 1 から enum.each { |x| ... } から、ほぼありとあらゆる
手続きは対応するメソッドの呼び出しになっています。

　そういう中で一律にメソッド呼び出しのカッコを省略不可にして
しまうのは不便の方が大きいので、例えば

- トップレベルのメソッド呼び出し (cf. Visual Basic)
- 引数無しのメソッド呼び出し (cf. perl4)

に限り省略可とする、のような条件を決める必要がありますね。

> 「カッコなしで関数を使う」というのは、コンパイラーやイン
> タープリターをらくらく作れるような力を持った人の「美学」
> なんだろうなと思います。わたしは、そういう人の本を眺めて
> 凄いなと感嘆する程度です。ああ羨ましい。

　Ruby の方針は「言語の実装側が多少苦労しても、ユーザに手軽さと
自由と楽しさを与えよう」ということだと思います。そして、 Ruby は
いろいろな言語からいい所を取り込んでいるので、自然とさまざまな
バックグラウンドを持つ人が集まってきています。

　各人が自分の慣れ親しんだスタイルを Ruby 上でも実現できるように
配慮されている、と考えれば、それもまた Ruby らしいと言えるんじゃ
ないでしょうか。


　とはいえ、実践的な話として、複数人で大規模開発する場合にいかに
スタイルを統一するか、という方向に議論を展開すると面白そうですね。
自分のスタイルをきちんと明文化してみるとか。

　私は結構適当です。関数っぽいのには括弧を付ける。命令っぽいのには
付けない。括弧がたくさんネストするのは嫌いなので括弧が続くときは
適度に間引きする。くらいかな。そのときの主観と気分次第ですね。


　{-} と do-end の使い分けもはっきりしてないな。大きい物は do-end,
小さいものは {-}, 手続きの登録・分岐 (fork, Thread.start等)は {-},
のような意識で大まかに使い分けている気はする。

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