[ruby-dev:563] Re: Tail recursion (Re: optimize (...))

まつもと ゆきひろです

In message "[ruby-dev:558] Tail recursion (Re: optimize (...))"
    on 97/09/27, "EGUCHI Osamu" <[e-mail]> writes:

|えぐち です。

|> 結局 obj += m は obj = obj + m に戻して評価してますからねえ．
|> それほど効果は出ないかも．
|
|eval のトラバースがちょっと減るですね、

ええ，それがどれだけ重いかですね．そんなに重くないように思っ
ているのですが，nd_type()はビットマスクとかありますけど．

|> |また、メソッドのテールリカージョンは可能だとおもいます。

|可能なのはクラス#メソッドが一致でかつ特異メソッドがない場合です。
|これは eval の時までわからないです。
|逆に eval が手抜きできるわけですが、検査コストは大きいでしょうか？
|また、これをしてまで call/return のオーバーヘッドは大きいのか不明です。

ああ，すいません．テールリカージョンといえば普通はこっちです
よね．これに関しては全てのメソッドが動的結合して，本当にテー
ルリカージョンできるかコンパイル時に決定できない事情があるの
で，検査コストの方が大きいように感じていて，まじめに検討した
事がありません．

call/returnの主なコストはsetjmp/longjmpですから，ある程度は
重いにしても，こういうテールリカージョンを正当化する程には重
たくないような気がします．もっとも，fact(400)とかが実行でき
るようになることは嬉しいですけど．

私が検討した事のあるテールリカージョンは，最後のメソッド呼出
で呼出フレームを積まない方です．こちらは本来の意味ではテール
リカージョンではないんですが，Schemeの仕様ではこういうのもテー
ルリカージョンと呼んでいるようです．

こちらは正当的テールリカージョンよりも実現性が高いのですが，
今のままの実装では難しくて，rb_evalの非再帰化が必要だなあと
感じている所です．
                                まつもと ゆきひろ /:|)