[ruby-dev:37220] Re: [ruby-cvs:27586] Ruby:r20368 (trunk): * ext/bigdecimal/bigdecimal.c (BigDecimal_div2): should return

まつもと ゆきひろです

In message "Re: [ruby-dev:37218] Re: [ruby-cvs:27586] Ruby:r20368 (trunk): * ext/bigdecimal/bigdecimal.c (BigDecimal_div2): should return"
    on Fri, 28 Nov 2008 02:49:47 +0900, Tadashi Saito <[e-mail]> writes:

|> と思ってソースを読んでみたのですが、これってオプショナルな引
|> 数を受け付けて、小数点以下の桁も指定できるんですね。そうなる
|
|五年前、[ruby-dev:20957]あたりで議論済みだと思います。

おお、全然覚えてない。情けない記憶力ですね。
# それで15年、いつもフレッシュにRubyに接することができるんだ。(苦笑

|そしてその時は(Numeric#divの廃止論も混じってますが)結局

というか、(問題提起はともかく)Numeric#divの廃止論しか話してな
いような。で、ここでの議論を受けて(だと思う)、BigDecimal#div
は第2引数がオプショナルになって、1引数の時にはNumeric#divと
同じように振る舞うようになってます。

が、その時の戻り値については、議論されたことはないと思います。

|> BigDecimalが他のNumericと違う道を選ぶ
|
|という結論だったのではないかと。[ruby-dev:21076]ではまつもとさんが
|
|> BigDecimalが既存のNumericとはいろいろ違う点があるのは事実です。
|
|と認めていらっしゃいます。つまりBigDecimalはNumericではない(元々そう
|あろうとして作られていない)し、それを認めてリリースされたというのが、
|一ユーザとしての自分の大局的な認識です。

同じ[ruby-dev:21076]で「それを認めて」はいなかったと告白して
ますし、それで構わないと思ってもいません(でした)。ただ、
BigDecimalの有用性は事実ですし、Numericとの非互換性があるから
という理由で、あのタイミングでBigDecimalをあきらめるのも不合
理な判断であったと思います。が、だからといって「それを認めて
リリースされた」とか、「(今後も)Numericと違う道を選ぶ」という
結論を定めてしまうのは、ちょっと行きすぎじゃないかなあ、と感
じます。

その後[ruby-dev:21131]、小林さんも

> より統一的かつ魅力的な形にもって行くには徐々に時間をかけて
> 進化させていくのがベストかと。

とおっしゃっているように、当時よりはNumericに似るように進化
していると思います。今回はその進化を後押ししようという話では
ないかと。

|ふなばさんが今年に入って問題提起していらっしゃる事と、自分が5年前に問題提起した
|(そしてそこそこの部分は却下された)事はかなり被っているように見受けられるので、
|アーカイブを参考にしていただけるとありがたいです。

アーカイブを見る限り、当時の結論は

  * BigDecimalとNumericには非互換性が残っているが、完全に解
    消するつもりはない(メンテナの裁量の範囲内)

  * Numericに近づけようという努力は否定しない

  * が、今すぐ(1.8.0直前)に行うのはタイミングが悪い

というものだったのではないかと。

                                まつもと ゆきひろ /:|)