[ruby-dev:14107] Re: Is private instance variable really needed?

前田です。

At Thu, 26 Jul 2001 12:39:52 +0900,
[e-mail] (Yukihiro Matsumoto) wrote:
> Rebecca WirfsbrockのResponsibility Driven Approachによれば、
> たとえサブクラスといえど見せる界面は定義されるべきだというこ
> とで、私もそれに賛同します。彼女の論文の詳細についてはは
> OOPSLA 87(か88か89 ^^;;;) を参照してください。
> 
> すべての実装にアクセスできるべきというのは、要するにカプセル
> 化なんて要らないってことを意味するわけでちょっとあぶない思想
> だと思います。Ruby的には「抜け道は用意するがカプセル化は支援
> する」程度があるべきレベルじゃないんでしょうか。

うーん、*サブクラスに対する*カプセル化はいらないというMeyer流の開
放閉鎖原則はもう古いんでしょうか。
個人的には*意図していないのに*スーパークラスの実装にアクセスして
しまうことさえなければ、決して危険ではないような気がするのですが。
# 時間が出来たら論文を見てみたいと思います。

> |(1) initializeですでに初期化されているインスタンス変数に代入した
> |    場合には警告を出す。(もしくはエラーにする)
> |(2) private instance variableはサブクラスによって参照はできるが、
> |    代入はエラー。
> |    (したがってサブクラスでスーパークラスと同じ名前の違うprivate
> |    instance variableを利用することはできない。)
> |
> |といった解決はどうかなと考えました。
> 
> それはちょっと難しいです。というのは(1)はインスタンス変数の
> 動作にモードを付ける(initializeモードというのでしょうか)とい
> うことで、ちょっと避けたく思いますし、(2)は結局重複を許さな
> いことでprivate instance variableの嬉しさの一番大きな部分を
> 放棄しているように感じます。

個人的には、クライアント(サブクラスでないもの)に対して公開しない
ものの名前に、そこまでこだわらなくても、衝突が検出できさえすれば
名前を変えればすむんじゃないかなあと思うのですが、

> |また、完全なprivate instance variableを導入するとしても、不自然で
> |はないAPIでサブクラスからのアクセスを許すようにしてほしいです。
> 
> どういうのが不自然でないかですね。Python流は(かっこわるいけ
> ど)実装は簡単で、サブクラスからもアクセスできるし、他への影
> 響は最少で済みそうだし、個人的には魅力を感じてます。

Python流の自動的なリネームというのはよいかもしれないですね。

> |宣言があれば名前の衝突を検出できるので、privateである必要はないよ
> |うな気がします。
> 
> それがカプセル化というものです。たとえスーパークラスといえど
> 実装の詳細には触れたくないというのが(割と新しめの)オブジェク
> ト指向流なのではないでしょうか。
> 
> # 現在のRubyはベタベタの古いモデルなんですが ^^;;;

Rubyの設計思想は、クライアントに対しては開じていて、サブクラスに
対してはオープン、というものだと信じていました。

> |Eiffelはあまりよく知らないのですが、サブクラスに対してはすべての
> |featureが公開されていて、selected exportで指定するのは継承関係に
> |ないクラスなのではないでしょうか?
> |とすると、ちょっと文脈が違うような気がします。
> 
> たしか、継承関係があってもselected exportの対象になったんじゃ
> なかったっけ？ あれ、単にC++のfriend相当だけだったかな。いま
> す。ああ、もう忘れた。実際に使ったことないし。

まつもとさんとMeyerの本を見てみたんですけど、friendっぽいものに見
えますね。

-- 
前田 修吾
実際の実装を知らないのでほんとにそうなのかはあやしいですけど…。