[ruby-dev:13765] GenerativeHash

高橋征義です。

Hash.new([]) でハマる、という(積年の)問題の回避策を考えてみました。

これまでのあらすじとしては、
http://blade.nagaokaut.ac.jp/cgi-bin/vframe.rb/ruby/ruby-dev/5570?5489-5938
のスレッドなどが参考になるかと思うのですが、

 * デフォルトをブロックで与えることにすればよさそう。
 * そうすると、Hash#default の値はどうする？
 * やっぱProcかなあ。
 * だとすると、
     Proc.new{Time.now}
     a = Hash.new(proc)
     a = Hash.new(&proc)
   の返す値が似てるのに存在しないキーにアクセスした時の挙動が
   違うのがいやだよねえ([ruby-dev:5651])
 * やっぱりHashのサブクラスを定義するべきでは。
 * あるいは Hashのインスタンスに特異メソッドを定義するとか。

というところで終わっていたと思います。
 
が、個別に特異メソッドを定義するのはいまいち使いにくいので、
やっぱりサブクラスを作るのがよさげです。そこで、

 * デフォルト(?)はProc限定。Foo.new{...} で定義する。
 * Foo#default は Procオブジェクトを返す。
   Foo#default= は Procじゃなきゃエラーを返す。
 * 存在しないキーにアクセスした場合、デフォルト(?)の
   Procオブジェクトをcall()した値を返す。
 * ついでにFoo["a"=>1] みたいなことはできないようにする。

というHashのサブクラスがいいんじゃないかと考えました。
そこで作ってみたのが GenerativeHash(仮称)です。キーがなければ
毎回オブジェクトをgenerateする、というニュアンスです。
# 英語としていいのかどうかはわかりませんけど……。

クラスの定義はこんな感じになります。

class GenerativeHash < Hash

  class << self
    undef :[]
  end

  def initialize(&block)
    if block.nil?
      raise ArgumentError,
	'tried to create GenerativeHash object without a block'
    end
    super(block)
  end

  def [](key)
    if !self.key?(key)
      self[key] = default.call()
    else
      super(key)
    end
  end

  def default=(proc)
    if !proc.kind_of?(Proc)
      raise ArgumentError, "default object must be Proc"
    else
      super(proc)
    end
  end
  
end


これで、

require 'generativehash'
hash = GenerativeHash.new{[]}

とすればOKです。


で、名前と細かい挙動を練った上で、標準ライブラリに突っ込めれば
と思うのですが、どうすればよいのでしょうか？
コードにテストを含めたものを、
http://www.rubycolor.org/arc/generativehash-0.8.tar.gz
に置いたのですが、/src/rough に置いてください〜と言えば置いて
もらえたりするんでしょうか。

# んで、最終的には cgi.rb にこれを使わせて、cookieの問題を
# 解決できれば、と思っているのでした。

高橋征義 (TAKAHASHI Masayoshi)   E-mail: [e-mail]
Arrayにも似たようなものを定義するべきですかね。