[ruby-dev:8341] Re: Exception handling

まつもと ゆきひろです

In message "[ruby-dev:8338] Re: Exception handling"
    on 99/11/17, Jun Adachi <[e-mail]> writes:

|> これはPostScriptを知らないこともあってちょっとイメージが湧き
|> ませんでした。
|
|辞書自体はHashと同じです。
|辞書スタックも含めてクラスにしてみるとこんな感じでしょうか。

なる、辞書については理解できました。

|一時的なエラーハンドラーを設定する場合に、上記プログラムだと
|dict.restoreだけで戻るので、現状復帰が簡単という安直な話です。

うーん、まずいでしょうね。というのもRubyにはスレッドがあるの
で普通の方法ではdict.restoreのような状態を使うとまずいことに
なります。つまり、「現状復帰」というのは単一の制御の流れでは、
オブジェクトの状態の単純な変化で表現できますが、複数の制御の
流れでは、状態を使うと他のスレッドで予期できないタイミングで
挙動が変化するのがまずい可能性があります。

|まつもとさんが「簡単なだけ」というのを好まないことは了解しています。
|しかし、前のメールでも書いたように、「全部デフォルト」と「全部begin
|.. rescue .. endでエラー処理する」の中間程度の真面目さのプログラムを書
|きたい場合に、この方式は便利だろうと思っています。

安達さんの提案はただ単に「簡単なだけ」ではないと思います。ま
た、便利な局面もあると思います。しかし、Rubyの標準的な機能で
あるスレッドとの相性が悪いのでそのままでは採用できません。

もうちょっといろいろ考えると使えるアイディアが出て来るかもし
れません。

|>   begin
|>   rescue IOError(err)
|>   end
|
|これは、IOErrorクラスのエラーの場合にこのrescue節に捕まって、詳細はerr
|で参照できるオブジェクトを見ろという意味ですよね？

そういう意味です。ちょっときれいじゃないですよね、文法が。

  begin
  rescue Errno::ENOENT, Errno::EINVAL(err)
  end

じゃなんだか分からないし。

  rescue Errno::ENOENT, Errno::EINVAL => err

？？ うーむ。

|>   begin
|>   rescue IOError
|>     Exception::info
|>   end
|
|こっちは、クラス定数で参照できるという意味でしょうか？

そういう意味です。

|＃なんか、後者だとやっぱりグローバルな変数にアクセスするのと変わりない
|＃気がして。

ま、結局はおんなじなんですけどね。

                                まつもと ゆきひろ /:|)