[ruby-dev:29343] Re: ruby 1.8.5 preview4

卜部です。

previewが出たときに私が普通に行う行動は、make test-allして0F0Eかどうかを
確かめることだけです。ほとんどのひとはそれ以上のことはしていないのではな
いかと予想します。ようするに、我々がチェックできるのは「previewまでに報
告され(たあと修正された上にちゃんとテストが書かれ)たバグがちゃんと直って
いるか」までです。 preview時点で未報告/未修正のものに関してはなにもでき
ません。たとえばCGI#outの問題はいまだにテストが書かれてないわけです。こ
のまま何回previewを出しても、何人がpreviewをテストしても、結局何も報告さ
れないでしょう。

現在のpreviewのシステムはテストが書かれてない問題には無力です。

繰り返しますが危惧しているのはpreviewばかりがだらだらと続いて結局リリー
スされないままずるずると時間が過ぎることです。我々がこうしている間にもバ
グは報告されつづけます。previewは未知のバグにはなんら効果を発揮してない
からです。仮にバグをひとつ修正している間に他のバグがふたつ報告されれば、
リリースから見れば遠ざかっているわけです。そうなると修正せずに出したほう
がまだよかったとさえ言えます。

バグのないプログラムは存在しません。現実にRubyはバグを含んでいます。それ
に、将来的にバグがなくなるという予測は立てづらいものがあります。例えばバ
グトラッカーのバグ曲線(公開していませんが)などを見ると、openなバグは順調
に数が増えているのが分かります。そうなったときに、いったい「よいRuby」と
はなんなのか。もっと言うと「よいプログラム」とはどういうプログラムか。ど
うなったら「よい」と言ってリリースするのか。バグがないことを目指すのは非
現実的です。不可能です。極論すればそのような幻を追い求めるからRubyのリ
リースはこんなに遅れるのだと思います。リリースの条件としてこれまで「日付
け」という条件を考えてきましたが、もしここでスケジュールを見直して
previewをいくつかやり直すなら、いったい日付以外のどの条件を満たしたらリ
リースなのかはちゃんと考えておく必要があるでしょう。