[ruby-dev:23980] Re: 引数の上書きとsuper

まつもと ゆきひろです

In message "[ruby-dev:23978] Re: 引数の上書きとsuper"
    on 04/07/27, SASADA Koichi <[e-mail]> writes:

|> メソッド呼び出しごとにコピーしなくても、引数に代入した時点で
|> オンデマンドにコピーすればよいのでは、というか手元ではそう実
|> 装しちゃいました。
|
|という解決方法では，
|
|a. 引数と他のローカル変数アクセスの区別が必要になる
|b. コピー前とコピー後を区別する必要がある
|c. 結局引数に代入することを多用する人（例：私）には遅いまま
|
|　という点で嫌です．

cは確かにあるかもしれませんが、それ以外はパフォーマンスは関
係ないですよね。笹田さんの立場からは当然なのかもしれません
が、まずは実装の話ではなく言語仕様の話がしたいです。

|　対案としては（無引数 super を zsuper と呼称します），
|
|A. zsuper を無くす
|
|　私は好きだし，互換性の問題から無くせないですよねぇ．

そうですね。

|B. "現在の仕様" を続ける
|
|　引数に代入するほうが悪い．
|　仕様に明記すれば問題ないのでは？

これは受け入れられません。

|C. 静的解析による解決，および eval による zsuper を禁止
|
|　これは，コードを静的解析して，そのメソッド中で zsuper が現
|れた場合に，
|
|C1. そのメソッドで常に引数リストのコピーをとるようにする
|C2. または，最初に引数への代入が行われる前にコピーを取る
|
|　と対処するという案です．

えーと、実装を考えつつ仕様を設計するのは悪いことではないです
が、実装の都合で言語仕様を決めるとろくなことはないです。

|D. 引数代入が起こる後の zsuper 禁止（eval 無視）
|
|def m a,b
|  ...
|  super # ok
|  a = 1
|  super # ng（例外？） 静的解析による
|end

この仕様で何が嬉しいか、ですよね。

|　本音は，あまり利用されない（だろう） zsuper のために，普遍
|的な部分で大きなコストを払いたくない，です．

それは理解できますが、今回のものはあんまり「普遍的」ではない
んじゃないかなあと思います。

---

どうせ誰も困ってないんで、変化するのは構わないんですが、変化
した後の挙動が(私にとって)納得できるものでないのは受け入れが
たいです。そういう点では笹田さんの案はどれも受け入れにくいで
す。

いっそ、

E. superの呼び出し時点で引数リストと同じものが省略されている
   とみなす

     def foo(a,b,c=200,*d)
       super   # super(a,b,c,*d)という意味(代入は反映される)
     end

というのもアリだと思います。

                                まつもと ゆきひろ /:|)