[ruby-list:37490] Re: Cygwinで拡張モジュールが生成されない

　既に収束しているかも知れませんが...

> $ ./miniruby.exe -v
> ruby 1.6.8 (2002-12-16) [i686-cygwin]
> 
> $ uname -a
> CYGWIN_NT-5.1 GRAPE 1.3.17(0.67/3/2) 2002-11-27 18:54 i686 unknown
> 
> Rubyインタプリタをコンパイルすると，
>   curses, dbm, digest
> しか拡張モジュールが作られないのですが，何が不味いのでしょうか。

　私も同じ現象に遭っていて、ようやく解明できたところです。

　curses、dbm、digest しか作られないのではなくて、メッセージを表
示しているだけで、これらについても make は実行されていません。

　[ruby-list:36873] の、以下の内容がポイントです。
> $ ls -l /usr/include/arpa
> total 19
> -rwx------+   1 Administ なし         3669 Dec 26 05:38 ftp.h
> -rwx------+   1 Administ なし          755 Dec 26 05:38 inet.h
> -rwx------+   1 Administ なし        10576 Dec 26 05:38 telnet.h

　ファイルの実行権が、オーナーの Administrator にしかありません。
　/usr/bin/gcc などの実行ファイルについても同様だと思います。

　miniruby が extconf.rb の have_header() を実行する際に、組み込
み関数 system を使って、C プリプロセッサである gcc -E コマンドを
実行するのですが、miniruby はファイルの実行権を現在のユーザが実行
しても良いのか真面目に調べているので、gcc が上記のような実行権に
なっていると、実行に失敗します。

　再現条件ですが、ホスト OS が Windows 2000 で、NTFS をお使いで、
マイクロソフトのセキュリティ情報 MS02-064 の対策として示されてい
る以下と同等の制限を C:\CYGWIN のインストール先 C:\ に設定されて
いるのだと思います。
（もちろん想像ですが、現象がそっくりなので確信しています。^^;）

    Administrators:
      フル コントロール (このフォルダ、サブフォルダおよびファイル)
    CREATOR OWNERS:
      フル コントロール (サブフォルダとファイルのみ)
    Everyone:
      読み取りと実行 (このフォルダのみ)
    SYSTEM:
      フル コントロール (このフォルダ、サブフォルダおよびファイル)

　一方 cygwin は 1.3.13 以降、NTFS セキュリティ機構を利用して 
unix 風のセキュリティ機構をエミュレートする ntsec パッチと呼ばれ
る機能が、環境変数 CYGWIN に ntsec と指定しなくてもディフォルトで
有効となりました。
　このため、環境変数で CYGWIN=nontsec 設定を行わなければ、上記条
件を満たした環境に cygwin をインストールすると、各ファイルの実行
権が、インストール先のアクセス権に基づいて、
「 -rwx------+   1 Administ xxxx ...」というパターンになります。

　対策ですが、ファイルのアクセス権を気にしなければ、環境変数で 
CYGWIN=nontsec を設定するのが簡単です。cygwin 1.3.12 以前のリリー
スを、環境変数 CYGWIN を意識せず使っていたのであれば、これで同じ
雰囲気になります。

　ntsec 機能を有効にして運用する場合は、C:\ のセキュリティ設定を 
Windows XP のディフォルトに倣えば、とりあえず OK です。
　セキュリティ情報 MS02-064 対策の設定に加えて、以下の設定を追加
してやります。

    Users
      読み取りと実行（このフォルダ、サブフォルダおよびファイル）
    Users
      フォルダの作成/データの追加（このフォルダとサブフォルダ）
    Users
      ファイルの作成/データの書き込み（サブフォルダ）

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北島雅博（かとんぼ）
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