[ruby-list:49569] [ANN] AdLint 3.2.0

矢野尾です。

本日 AdLint 3.2.0 をリリースしました。

今回のリリースでは、新しく「コンテキストトレース機能」を追加しました。


以前のバージョンでは、ゼロ除算などのランタイムエラーの可能性を指摘する
警告は、「ここでゼロ除算の可能性があります」という結論の部分しか出力し
ていませんでした。

コンテキストトレース機能により、現状通りの警告メッセージに続いて、どの
ような文脈で指摘した状況が起こり得るかを、コンテキストメッセージによっ
て補足できるようになりました。

下記は、コンテキストメッセージの出力例です。

   1: int foo(int i)
   2: {
   3:     int j = 0;
   4:
   5:     if (i < 0) {
   6:         j = -i;
   7:     }
   8:     else if (i > 0) {
   9:         j = i;
  10:     }
  11:
  12:     return 5 / j; /* W0093 ゼロ除算するかも */
  13: }

  a.c:12:14:warning:W0093:ゼロになることがある値で除算しています。
  :::context:C1000:次の実行パスで警告を検知しました。
  a.c:3:9:context:C1006:ここで該当変数に値を割り当てました。
  a.c:5:11:context:C1002:この制御式を偽として評価しました。
  a.c:8:16:context:C1002:この制御式を偽として評価しました。


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== AdLint とは

AdLint (アドリント) は、ソースコード静的解析ツールです。

AdLint は、(現時点では) ANSI C89 / ISO C90 / 一部 ISO C99 規格に準拠し
た C 言語のソースコードを解析することができます。

== 特徴

* 信頼性や移植性に欠けるコードをメッセージで警告可能
* 経路複雑度などコードの品質メトリクスを測定可能
* コードの構造情報を抽出可能

詳しくはホームページをご覧ください。

== インストール

Ruby 1.9.3-p0 以降が必要です。

 % gem install adlint

adlintize、adlint、adlint_sma、adlint_cma、adlint_chk コマンドがインス
トールされます。

== 動作確認

 % cp -r `adlint --prefix`/share/demo/intro_demo .
 % cd intro_demo
 % adlintize
 % make verbose-all
 adlint -t adlint_traits.yml -o . -p 1 -v intro_demo.c
              intro_demo.c [fin] |============================| 0.133s
                intro_demo [fin] |============================| 0.014s
  0.560s user, 0.020s system, 00:00:00.58 total

intro_demo.c.msg.csv に、下記のような警告メッセージを出力します。

 W,intro_demo.c, 2, 1,W0071,"useless_header.h" のインクルードは不要です。
 W,intro_demo.c,38,15,W0610,この論理演算の結果は常に偽になります。
 W,intro_demo.c,40,13,W9001,この文には制御が到達しません。
 W,intro_demo.c,45,25,W0093,ゼロになることがある値で除算しています。
 W,intro_demo.c,48,19,W0097,明らかにゼロの値で除算しています。

他の出力ファイルやコマンドの使用方法などについては、ホームページ内の利
用者ガイドをご参照ください。

== ライセンス

GPLv3+

== ホームページ

http://adlint.sourceforge.net/

== リポジトリ

https://github.com/yanoh/adlint

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是非ご利用ください。

以上

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矢野尾 裕 <[e-mail]>