[ruby-list:40656] TkTextIO class

永井@知能．九工大です．

TkTextIO クラスというものを Ruby/Tk のサンプルで作りました．
少しは面白いものになりましたので，報告しておきます．

TkTextIO クラスは Ruby/Tk のテキストウィジェットを 
I/O stream として使うためのクラスです．
StringIO に似たものだと思ってもらえばいいでしょう．
TkText のサブクラスですから，もちろんテキストウィジェットとしての
操作も可能です．

StringIO クラスと同様に IO クラスのインスタンスメソッドを
実装していますので，オブジェクトを $stdin, $stdout, $stderr に
代入して使うことが可能です．
置き換えた場合は，単純に puts などをすると TkTextIO の
テキストウィジェット上に出力されることになります．

ただし，重要な違いが一点あります．
それは「すべての処理が byte 単位ではなく文字単位となる」という点です．
そのため，getc は 1 byte の文字コードではなく，1 文字を返します．
マルチバイト文字も getc で 1 文字が得られます．
seek などでの位置の制御や read での読み出しサイズも「文字」が単位です．
例えば seek(10) は「10 byte 目」ではなく「10 文字目」となります．
read(20) も「20 byte」ではなく「20 文字」を返します．

この違いにより，getc が Fixnum を返すことを前提としている部分などで
そのまま置き換えるのには使えませんが，逆にこの点が有用なケース
(必ずしも画面に出す必要はない) もあるかと思います．

なお，readline が用いられている際に $stdin や $stdout の
置き換えとして代入することはできません．

# readline ライブラリが core を吐きます．(^_^;

CVS の 1.8, 1.9 の両方で ext/tk/sample/tktextio.rb として
ほおり込んでありますので，良かったらお試しください．
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                                       永井 秀利 （九工大 知能情報）
                                           [e-mail]