From: Yusuke Endoh Date: 2013-02-24T18:12:53+09:00 Subject: [ruby-list:49193] [ANN] Ruby 2.0.0-p0 released こんにちは。Ruby 2.0.0-p0 をリリースします。 ## ダウンロード * ftp://ftp.ruby-lang.org/pub/ruby/2.0/ruby-2.0.0-p0.tar.bz2 SIZE: 10814890 bytes MD5: 895c1c581f8d28e8b3bb02472b2ccf6a SHA256: c680d392ccc4901c32067576f5b474ee186def2fcd3fcbfa485739168093295f * ftp://ftp.ruby-lang.org/pub/ruby/2.0/ruby-2.0.0-p0.tar.gz SIZE: 13608925 bytes MD5: 50d307c4dc9297ae59952527be4e755d SHA256: aff85ba5ceb70303cb7fb616f5db8b95ec47a8820116198d1c866cc4fff151ed * ftp://ftp.ruby-lang.org/pub/ruby/2.0/ruby-2.0.0-p0.zip SIZE: 15037340 bytes MD5: db5af5d6034646ad194cbdf6e50f49ee SHA256: 0d0af6a9c8788537efd8d7d2358ce9468e6e2b7703dacba9ebd064d8b7da5f99 ## Ruby 2.0.0 とは? Ruby 2.0.0 は Ruby 2.0 系列の最初の安定版リリースです。 Ruby への要求の多様化・大規模化に対応するため、数多くの新機能や改善が 搭載されています。主要な変更点は以下のとおりです。 - 言語コア機能 - キーワード引数: API 設計の新しい柔軟性 - Module#prepend: クラス拡張の新しい方法 - シンボルの配列を簡単に作るリテラル %i - __dir__: 実行中のファイルのあるディレクトリ名 - default UTF-8 encoding: 多くのマジックコメントが不要に - 組み込みライブラリ - Enumerable#lazy / Enumertor::Lazy: 無限の遅延ストリーム - Enumerable#size: 遅延サイズ評価 - #to_h: Hash への変換メソッド - Onigmo (鬼雲): 新しい正規表現エンジン (鬼車の fork) - 非同期例外を安全にハンドリングする API - デバッグサポート - DTrace サポート: 本番環境での実行時診断を可能にする機能 - TracePoint: 改善されたトレース API - 性能改善 - bitmap marking による GC 最適化 - Rails の起動時間を大幅に短縮する Kernel#require の最適化 - メソッドディスパッチなどの VM 最適化 - 浮動小数演算の最適化 また、実験的機能としてではありますが、Ruby のモジュール性に対する新しい 概念となる refinement も提供されています。 新機能の詳しい情報については NEW ファイルもご参照ください。 2.0.0 の設計では 1.9 と互換であることに非常に注意を払っています。 1.9 から 2.0 への移行は、1.8 から 1.9 の移行より苦労しないと思います。 (大きめの非互換については後述します) 実際、サードパーティの献身的な活動によって、Rails や tDiary など、 いくつかの広く使われているアプリケーションが 2.0.0 の Release Candidate 版で動作することが報告されています。 長年の懸案であったドキュメント不足についても、rdoc が大幅に追加され、 1.9.3 のときはドキュメント率が 60% だったのに対し、2.0.0 では 75% と なり、大きく改善しています。また、Ruby の構文の説明も追加されています。 ri ruby:syntax で読むことができます。 TEENY が 0 ですが、1.9.0 と違い、2.0.0 は「安定版」リリースであることに ご注意ください。ライブラリ作者には 2.0.0 をサポートすることを推奨します。 上述の通り、1.9 から 2.0 への移行は比較的容易なはずです。 Ruby 2.0.0 は実用可能な状態であり、あなたの Ruby 生活を確実に改善します。 Ruby 2.0.0 でプログラミングを楽しんでください。 ## 注意点 ### 紹介記事 サードパーティによる新機能の紹介記事があります。 - http://blog.marc-andre.ca/2013/02/23/ruby-2-by-example (包括的、おすすめ) - https://speakerdeck.com/shyouhei/whats-new-in-ruby-2-dot-0 (包括的、おすすめ) - http://el.jibun.atmarkit.co.jp/rails/2012/11/ruby-20-8256.html (概要のみ、日本語) - https://speakerdeck.com/nagachika/rubyist-enumeratorlazy (Enumerator::Lazy のみ、日本語) 以下の記事も参考になりますが、refinement に関しての記述が古いです。 - http://rubysource.com/a-look-at-ruby-2-0/ - https://speakerdeck.com/a_matsuda/ruby-2-dot-0-on-rails - http://globaldev.co.uk/2012/11/ruby-2-0-0-preview-features/ - http://www.infoq.com/news/2012/11/ruby-20-preview1 また、"Rubyist Magazine" の最新号で 2.0.0 の一部の新機能を紹介する記事が 掲載されています。 - http://jp.rubyist.net/magazine/?0041-200Special 日本語で書かれていますが、後日英訳もされる見込みです。 ### 非互換について 特筆すべき非互換を 5 つ把握しています。 - デフォルトのスクリプトエンコーディングが UTF-8 になりました [#6679] 。 これは既存のプログラムに影響を与えることが報告されています。例えば、 ベンチマークプログラムが非常に遅くなるなど [ruby-dev:46547] 。 - iconv が削除されました。元々 M17N が導入された 1.9 の時点で非推奨の ものでした。String#encode などを使って書き換えてください。 - ABI 互換性がなくなっています [ruby-core:48984] 。通常のユーザは、拡張 ライブラリを再インストールするだけでよいはすです。「1.9 の .so, .bundle ファイルをコピーするな」とだけ気をつけてください。 - #lines, #chars, #codepoints, #bytes メソッドが Enumerator ではなく 配列を返すようになりました [#6670]。この変更によって、"lines.to_a" というイディオムを書く必要がなくなります。 Enumerator が必要な場合は #each_line などを利用して下さい。 - Object#inspect は #to_s を呼び出さず、常に # のような 文字列を返すようになりました。 [#2152] 他にも比較的小さな非互換があります。[ruby-core:49119] ### refinements の扱い Ruby のモジュール性に新しい概念を与える Refinement と呼ばれる機能を追加しました。 しかし、Refinement は「実験的機能」であることに注意してください。将来仕様が変化 する可能性があります。 それでも、ぜひお試し頂き、感想をお聞かせください。 あなたのフィードバックによってこの機能を進化させていきたいと思っています。 ### 謝辞 2.0.0 は非常に多くの人々の貢献によって成り立っています。 貢献のごく一部の不完全な謝辞ですら、ここに掲載するには大きくなりすぎました。 special thanks のページヘのリンクを貼ることでその代わりとさせてください。 http://bugs.ruby-lang.org/projects/ruby/wiki/200SpecialThanks 以上です。 -- Yusuke Endoh